「誰の味方でもありません」を観光 ~最終日 エッフェル塔からエッフェル塔は見えない~

 

こんばんは!

 

 

6月24日の空想レポートです。

 

今日は古市憲寿さんの書いた「誰の味方でもありません」の空想観光最終日のレポートです。

 

最終日の観光スポットは「第3章 誰の味方でもありません」から「エッフェル塔からエッフェル塔は見えない」です。

 

「パリの夜景をエッフェル塔から見ようとしたがひどく混雑していたため、モンパルナス・タワーから見ることにする。すぐにタワーに入ることができ、眺めは綺麗、何より輝くエッフェル塔を見ることができた。」

というところから「エッフェル塔からエッフェル塔は見えない」という訳です。

モンパルナス・タワーをパリに不似合いな高層建築だとして嫌うパリっ子は「モンパルナス・タワーからの眺めはパリで一番美しい。モンパルナス・タワーを見なくて済むから」と軽口を叩くそうです。

 

ここはさほど重要ではないのですが、面白かったので紹介しました。

 

ここからが本題で、古市さんは、醜い場所(パリっ子にとってのモンパルナス・タワー)からしか見れない美しい景色(パリっ子にとってのモンパルナス・タワーがない景色)があるということに着目していきます。

 

例えば、売れたら書けなくなる作家など「売れていない」環境にあったからこそ「憧れ(美しい景色)」から文章を書くことができたのに売れることによってその環境(醜い場所)がなくなってしまうということがあります。

また、「家なき子」が大ヒットしたのは日本で貧困が問題になる前だったからで、不況の時代に暗い映画やドラマは流行らない。さらには、「ワイドショーで悲惨な事件が好まれるのは「自分の方がマシ」と思えるからで、生活満足度が高度成長期やバブル期よりも高いのは「他人よりマシ」、「人生はこんなもん」というようなあきらめが押し上げていると思う」といったことも書いてありました。

 

なんとなく分かるような、分かりたくないような…。

 

まずは空想観光客の感想を紹介します。

 

1人目(31歳 男性 会社員)

ワイドショーの話は耳が痛いですね。そんな意識はないですけど、無意識にそう感じてしまっているかもしれないなって思いました。芸能人とかのスキャンダルとか叩くのってこういう心理が働いてるのかな。

 

2人目(51歳 男性 教師)

家なき子とか今放送したらどうなるんですかね。いろいろな観点から間違いなく炎上はしそうですよね。金八先生とかも体罰が問題となっている今放送したら、内容に関係なく批判する人は出てきますよね。

 

3人目(19歳 女性 大学生)

私の好きだったバンドもインディーズの時はいい曲作ってたのにメジャーデビューしたら微妙になりました。そのバンドがいい曲が作れなくなったのか、私がバンドのメジャーで歌う姿に魅力を感じなくなったのか分からないですけど。

 

 

以上です。

 

バンドの話は分かる気がします。

バンドがいい曲を作れなくなっているのか、メジャーデビューしたことによってタイアップとかが増えて曲に自由さがなくなっているのではないかと勝手に勘ぐってしまったりして、純粋に曲を楽しめなくなってしまうことがあります。

不思議なもので売れて欲しいと応援していたのに売れてしまうと離れていくファンって少なくないと思います。

売れないことの苦労などを曲から想像して自分の人生に重ねて聞いていた人は、売れてしまったことでその曲の持つ力がなくなってしまうのかもしれませんね。

同じ目線でエッフェル塔を見ていたのに、モンパルナス・タワーになってしまったような感覚ですかね。ちょっと違うか。

 

1人目の感想は分かるようで分かりたくないですね。

戦場の写真を見た時に、「戦争がなくなってほしい」と思うと同時に、「日本に生まれてよかった」と思わないと言えば嘘になります。むしろ安堵の感情の方が割合的には多いかもしれません。

悪いことではないでしょう。

ですが、指摘されてしまうと自分が卑しい人間のように感じてしまいますよね。

僕は堂々とこんなことを言う古市さんよりは”マシ”だと思うことにしました(笑)

 

 

2人目の時代の状況とエンターテイメントとの関係性についてですが、昨日見た「いだてん」でも同じような場面がありました。

関東大震災の後復興に励む中で、落語家が震災の現状を小噺を交えて住民の前で披露したりして、現代なら不謹慎だと大炎上しそうだなぁなんて思ってみていましたが、「ふさぎ込んでばかりはいられない」というセリフがあり、東日本大震災で被災した時にバラエティが見たかったことを思い出しました。

自分たちも不安で苦しい状況で津波の映像や、被災した地域の映像ばかりが放送されていて気持ちが落ち着く暇がなかったです。

そんなことから暗い時代に暗いドラマが流行らないというのは分かるような気がしました。

 

 

 

なんだか、「自分の状況が悪い時は現実逃避し、自分の状況が良い時は自分より悪い人を見て安心する」と、醜く感じますが、自分の精神状況を安定させるためには必要なことだと思います。これがうまくできないと精神的にまいってしまうかもしれません。自分は醜いとあきらめてしまうことが大事かもしれませんね。

 

 

みなさんのご意見ご感想ぜひお聞かせください!

 

 

※これまでの「誰の味方でもありません」の空想観光レポートは僕なりの解釈を施してありますので、読んでない方はぜひ読んでみて下さい

 

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↓過去の空想観光レポート

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